水際の救命磨く技 ライフセービング日本記録 東海大の西山さん
神奈川県平塚市の東海大学ライフセービングクラブの西山俊さん(4年次生)が、15・16日に横浜市内で開かれる「全日本ライフセービング・プール競技選手権」に出場する。国内で最高峰といわれる同選手権で好成績なら、今秋にエジプトで開催される世界大会への初出場も視野に入る。西山さんは「世界の切符をとりたい」と張りきっている。ライフセービングは、海や水辺での事故防止・救助・監視などを目的にした活動。競技では実際の活動をもとに、水中に沈む救助の対象者をいかに迅速に確実に救助するかなど、数種目で競う。西山さんは、今年2月に静岡県で行われた「第1回全日本学生ライフセービング・プール競技選手権大会」に出場。水底に沈むマネキンを引き上げて抱えて戻る「100mマネキンキャリー・ウィンズフィン」という種目で、55秒37の日本記録を出して優勝。また、マネキンに救助用のチューブを巻きつけて戻る種目でも1位になった。
1日4時間を超す水泳練習やウエートトレーニングをこなす。筋肉が増え、入部当初65キロだった体重が75キロになった。「練習はきつくても、いいライフセーバーになる目標があるからつらくない」と西山さん。クラブでは1年次生を指導する係りで、「競技で頑張ることが人のためにもなるライフセービングの魅力を毎日伝えています」と言う。夏場は湯河原町の海水浴場で監視員として過ごす。2009年は、おぼれかけた母子を仲間と救出。だが、「ライフセーバーとしては甘い。異変に気づき、事故の未然防止がライフセービングの基本ですから」と言う。全日本大会は3度目の挑戦。過去は上位に食い込めなかったが、今回は記録の保持者としてモチベーションが違う。「もちろん優勝が目標。強豪の社会人に勝ち、少しでも世界に近づきたい」と意気込んでいる。(湘南版)
媒体名:朝日新聞
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掲載日:2010年05月14日